帯状疱疹
高齢者を対象とする帯状疱疹ワクチンの定期接種が始まります
帯状疱疹とはどんな病気?
帯状疱疹は、水痘帯状疱疹ウイルスが再び活性化することにより、神経に沿って、痛みを伴う水疱(水ぶくれ)が現れる皮膚の病気です。日本人成人の9割以上が帯状疱疹を発症する可能性があり、とくに50歳代から発症率が増加します。
合併症の一つに皮膚の症状が治った後にも痛みが残る「帯状疱疹後神経痛」(PHN)があり、日常生活に支障をきたすこともあります。
50歳以上の帯状疱疹患者の5人に1人がPHNを発症するといわれています。
接種の対象者は?
〇2025年度に65歳になる方
〇60~64歳で、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)による免疫機能の障害があり、日常生活がほとんど不可能な方
〇2025年度に、70、75、80、85、90、95、100歳となる方(2029年度までの経過措置)〇100歳以上の方(2025年度のみ対象)
※対象者以外の人は任意で接種できます。接種費用は全額自己負担です
使用するワクチンとそのスケジュール
帯状疱疹ワクチンには生ワクチン、組換えワクチンの2種類があり、いずれか1種類を接種します。
各ワクチンは、接種回数や接種方法、接種スケジュール、接種条件、効果とその持続期間、副反応などの特徴が異なっています。
接種を希望される方は、記載内容を参考にして医師とも相談の上、接種するワクチンをご検討ください。
乾燥弱毒生水痘ワクチン |
乾燥組み換え帯状疱疹ワクチン |
|
---|---|---|
用法/用量 | 皮下に1回接種 |
筋肉内に2回接種 |
予防効果 |
60歳以上:51% |
50歳以上:97.2% |
予防効果/ |
5年程度 | 現在は11年程度 |
接種 不適当者 |
1. 明らかな発熱を呈している者 |
1. 明らかな発熱を呈している者 |
引用元:ペインクリニック学会HP
ワクチンの効果の持続期間
いずれのワクチンも、帯状疱疹やその合併症に対する予防効果が認められています。
帯状疱疹に対する効果 |
生ワクチン |
組み換えワクチン |
---|---|---|
接種後1年 |
6割程度 |
9割以上 |
接種後5年 |
4割程度 |
9割程度 |
接種後10年 |
― |
7割程度 |
合併症の一つである、帯状疱疹後神経痛に対するワクチンの効果は、接種後3年時点で、生ワクチンは6割程度、組換えワクチンは9割以上と報告されています。
引用元:厚労省HP
ワクチンの安全性
ワクチンを接種後に以下のような副反応がみられることがあります。
頻度は不明ですが、生ワクチンについては、アナフィラキシー、血小板減少性紫斑病、無菌性髄膜炎が、組換えワクチンについては、ショック、アナフィラキシーがみられることがあります。
主な副反応の |
生ワクチン |
組み換えワクチン |
---|---|---|
70%以上 |
― |
疼痛* |
30%以上 |
発赤* |
発赤*、筋肉痛、疲労 |
10%以上 |
そう痒感*、熱感*、腫脹*、疼痛*、硬結* |
頭痛、腫脹*、悪寒、発熱、胃腸症状 |
1%以上 |
発疹、倦怠感 |
そう痒感*、倦怠感、その他の疼痛 |
*:ワクチンを接種した部位の症状 各社の添付文書より厚生労働省において作成